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2011年2月 2日 (水)

「山谷でホスピス始めました」

去年の暮れに偶然、NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で山谷でホスピスをやっている人のことを取り上げている回を見た。

そんなことをしている人がいるなんてことをTVで初めて知った。

そして、そのホスピス「きぼうのいえ」の施設長の奥さんで看護師の山本美恵さんの笑顔の質感にとても感動した。

なんといったらいいんだろう?

全然気負いがなく、自然で、だけど、とても深いところから笑っている。

もしかしたら一番深い悲しみを知っている人、悲しみの底から再び生きることを選んできた人の、生きることの喜びも悲しみも全てを知っている顔、なのだろうか?

 
マザー・テレサは有名だけど、あまりにも聖人すぎて、しかも遠い国のことだし、私には縁がない話だと思っていたけれど、山谷といえば我が家からも1時間もかからずに行くことのできる場所。

そんな身近なところで、とても普通の人たちが同じようなことをしている。

すごいな~、すごいな~、と思った。

 
そしたら、1月末に、なんと偶然にも「きぼうのいえ」の関係者の方と知り合う機会があった!

なんというシンクロだろう!!

私の運命は今、そっちに引っ張られているのだろうかぁ~~~、と、きぼうのいえとご縁が出来たこと自体に深く感動してしまい、涙が出そうになった。

そして、「そこでクラニオやらせてほしいです」と言ってしまった。

 
もちろん、本当にやるためにはきちんと施設に連絡を取って了承される必要があるわけだけど、お知り合いになった方はきぼうのいえの電話番号を教えてくれて、ホームページもあることも教えてくれた。

さっそくホームページを見に行ったら、なんとまぁ、素敵な、センスのいい、温かいページなんだろうと再び感動。

たぶん、きぼうのいえを作るという山本雅基(著者で施設長)さんの意思に賛同してくれた心ある専門家が作ってくれたのだろう。

ホームページを見ているだけで心癒されてしまう。

 
さて、それで、衝動的にそこでクラニオやりたいなどと言ってしまった私であるが、よく考えたら現在2つの仕事をかけもちして結構忙しくなってきてるので、これ以上仕事を増やすことは今のところ難しいか・・・と少し冷静になり(何しろやるとしたらボランティアだし)、まずはきぼうのいえについてもう少し勉強してみようと思ったのであった。

そして、きぼうのいえに関する本が何冊も出ていることを初めて知り(本屋さんで見かけたことあるような気がするが意識に入ってこなかった)、映画「おとうと」はきぼうのいえを舞台にしているということも初めて知った。

そういうわけで、読んでみたわけだ、この『東京のドヤ街山谷でホスピス始めました』を。

はぁ~、なんて前振りが長いの。。。。

 
まあ、私の本の紹介は、いつも、その本を通して自分に何が起こったかということを書くことが目的なのでよしとしよう。

.。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。..。.:**:.。.

さあ、それで、本を読んでみたわけだけど、読む前に漠然と思っていた「困っている人を助けてエライ」というような単純な問題ではないなぁと思った。

山本さんは「3度の飯より人助けが好き」と言われてしまう人だ。

かつて日航機墜落事故があったときに現場での悲惨な様子をニュースで見ながら、自分は「こういう地獄のどん底に突き落とされたようなひととともに歩こう」(p81)と決心したのだという。

ぼくの生き方はそれ以外にない。このようなひとの悲しみを減らすためだけに生きよう」(p81)と。

 
それまでの山本さんは大学で哲学を専攻し、自分がどのように生きたらいいのかまったくわからなくて悶々としており、精神的にも不安定になって精神科で処方された薬を服用していた。

それが、その事件をきっかけに「なにか超越的な存在につかまえられて、拠って立つ場所を決定的に示された」のだという。

その後、山本さんは小児がんなど難病の子どもと家族のための滞在施設「ファミリーハウス」の立ち上げに全精力を傾けることになる。

施設の運営が軌道に乗ってくると、ご多分にもれず色々な権力とのしがらみが強くなり、ある日山本さんはバーン・アウトしてしまう。

それから1年くらいはうつとアルコール依存で大変だったそうだ。

その頃に今度は山谷でホスピスをやりたいと思うようになり、同時期に運命的に出会った美恵さんと共にきぼうのいえ立ち上げに向かってがむしゃらに突っ走る。

そして、きぼうのいえが立ちあがった後にもあまりの激務と山谷の海千山千(?)超個性豊かな利用者とのトラブルなどにより夫婦共々倒れてしまったりしている。

そんな大変な思いをし、数々の事件やトラブルや失敗を繰り返しながら少しずつ今の形ができてきたことが書かれている。

そして、個性豊かな利用者たちとのエピソードが愛に溢れた視線で紹介されている。

 
山本さんの姿を読むにつけ、これは「人助けをしてエライ人」というよりは、もうはっきりいって「ビョーキ」って感じ。

画家がほとばしる情熱を絵にぶつけなければ生きていけないように、山本さんは人助けをしなければ生きていけない。

うちの夫は「ものを作らなかったら死んでるのと同じ」というが、それと一緒だ。

彼らにとって選択の余地はない。

 
ある意味うらやましい気もする。

 
そして、私はいったいどういう風に生きたいのだろう?と再び思うわけだ。

 
私もきぼうのいえみたいなところで働いてみたいと思う。

ターミナルケアにも興味がある。

 
どうして?

 
私は、人間っていったい何なんだろう?って思うのだ。

いのちっていったい何?

どういう風に生きるのが本当の幸せなの?

本当の愛ってどういうこと?

 
そういうことについてある程度頭ではわかっているつもり。

 
だけどそれを体験として、腹の底から納得できるような学びがほしいのだ。

 
そして、きぼうのいえのスタッフの方々のような「突き抜けた人たち」と一緒に仕事をしてみたい。

そこから何かを学びたい。

 
山本さんはスタッフの採用面接をする際には「いざというときに一緒に戦ってくれそうかどうか」を採用基準にしたそうだ。

私にはいざというときに一緒に戦えるほどの覚悟があるのだろうか?

 
自分がいざというときに生命をかけるほどコミットできるものって本当に限られていると思う。

私の持ち場はどこだ?

私は私の持ち場をしっかり守ろう。

それがまずは一番。

 
それができたら、自然と、もっと大きな仕事を神様が与えてくれるだろう。。。。

 

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