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2008年12月17日 (水)

旅立ち

サロン開業以来営業部長として皆様に愛想を振りまいていたネコのぴーちゃん(ぴー太)が、先日の満月の夜、この世での勤めを終えてもうひとつの世界に旅立ちました。

享年16歳でした。

サロンにいらして可愛がって下さった皆様、本当にありがとうございました。

 
ぴーちゃんは我が家の3匹のネコのうち年齢的に真ん中のネコで、とても飄々としていている子でした。

正直人間との意志の疎通がいまひとつできない、何を考えているのかわからない、宇宙ネコのような存在でした。

一番上の子は色々と手をやかせる困ったちゃんで人間の注目を集め、末っ子はついついえこひいきの対象になってしまう強烈な可愛らしさを放つ中で、ぴーちゃんはついつい注意をそそぐことがおろそかになってしまう、ちょっと影の薄い子でもありました。

それが、サロンを始めてお客様が来るようになってからは、すぐにお客様の膝や足元に寄ってきて愛想を振りまくものだから、皆様に「かわいい、かわいい!」とたくさん言ってもらえて、ぴーちゃんもとてもうれしかったと思います。

その頃から食欲もとても旺盛になりました。

それまで十数年間、人間の食べ物に全く興味を示さなかったのに、急に人間の食べ物を欲しがるようになり、最後の方はまるで餓鬼に取り付かれているかのように、食事時はテーブルの上で人間の邪魔をしまくりました。

でも、餓鬼に取り付かれたように食べ物を欲したのにはわけがあったようで、先週、ちょっと元気がなくて様子がおかしいと病院に連れていったところ、大腸にがんがあると言われました。

腫瘍はかなり大きくなっているらしく、このまま何もしなければ、持って年内のいのちだろと。

また、今は手術するほどの体力もないと。

まあ、16歳だからあーだこーだと体をいじくりまわしても可哀そうなだけだし、静かに見守ろうと思いました。

それにしても、病院に連れて行ってから年内どころか、たった4日で逝ってしまいました。

小さないのちはあまりにもあっけなかった。

 
でも、最後の数日、ずっとぴーちゃんに寄り添い、彼が最後のいのちの火を燃やし尽くすのにつきあいました。

時々刻々と弱っていく様は痛々しかったけれど、そこでいのちの火を燃やしている様子はなんとも健気で、彼の一生のうちで一番可愛かったように思います。

何度も何度も「ぴーちゃん、可愛いね」という言葉をかけました。

最後の日は一日中目を閉じることもできず、ずっと目を開いたまま、でもほとんど反応もなく、ひたすら呼吸だけをしていました。

最後の瞬間には、魂が口から出て行く様をしっかりと見届けました。

死んでいく苦しみではあったけれど、同時にもうひとつの世界に生まれ出る出産の場に立ち会っているような気持ちがありました。

十分に生きて、しっかりと死んで、次の世界に行く。

それはとても神々しいことのように感じました。

*~*~*~*~*~*~

以前、オステオパスの先生から、

「本当に何が健康かということはとても難しい問題なんです。

たとえば、ヒトは死ぬためにも体力が必要なんです。

死ぬための体力がない人はずっと植物状態のままでどちらにもいけない。」

と言われたことがとても強く心に残っている。

ぴーちゃんはしっかりと最後の体力を持って旅立っていった。

よくやったよ。

 

ぴーちゃん、偉かったよ。

ぴーちゃん、長いあいだ、本当にありがとね。

またどこかで会おうね。

1998

↑1998年、若かりし頃のぴーちゃん。

 

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